2018.04.05Column【24節気な歳時記】 清明
清明 2018年は4月5日 24節気の5節目
春分から15日、冬の余韻もすっかり消えて、万物が生まれ変わるこの時期、
全てが清らさと明るさで満たされる…との意で「清明」と称されます。
今を遡ること約2,500年前の春秋時代、当時の王が「墓祭の礼」を行ったのが
起源だとか。それが民間に広がり、祖先のお墓にお参りして清掃を行う
習わしとして今日に至っています。
唐代になって、もともとは日の異なっていた「寒食節」と同時に
行われるようになり、火を使わない冷食をいただく代わりに身体を動かして
冷やさないようにする風習が各地にあります。
そして中国茶の世界では、1年で最もシンボル的な節気と言ってよく、
特にお茶の分類中、最も歴史が長く生産量の多い緑茶においては、
この日を境に、それ以前に収穫した茶葉であれば「宝」、
過ぎてしまうと「草」と称さるほどに価値に差をつける慣習があります。
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■中医的お料理
万物を成長させる春の空気は、人にとっても陽気というエネルギーを
増やす効果があり、薄手の衣服に着替え、運動に勤しめば、
ますますエネルギーが高まります。
一方、肝気と呼ばれる交感神経も、この清明節の頃、最高に
活性化しますが、それが故に消化不良や情緒不安定などの症状が
引き起こされることもあり、「寒食節」だからと冷たいものを
食べず、適切に温かいものをいただき、野菜や果物を多く摂取することを
心掛けると良いようです。
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□口磨白菜 主材料:白菜、マッシュルーム、醤油、砂糖、植物油
熱した油に短冊切りした白菜、4つ切りしたマッシュルームを入れ、ざっくり火が通ったところで調味料で味を調える。 |
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白菜は95%が水分なので、まずはダイエット食にピッタリですが、
それ以外にも豊富なカリウムが高血圧やむくみ防止に効果があり、
また、硫黄化合物の消化を助ける機能が、この時期に陥りがちな
消化不良の解消に良さそうです。
また、マッシュルームは豊富なカリウム、繊維質の他に、
パントテン酸を含みこれが副腎皮質ホルモンの合成を助け、
ストレスに臨む態勢を整えて、情緒の安定に一役買ってくれる
とのことで、やはりこの季節に適した食材と言えそうです。
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■この季節に飲むお茶
「嶺頭単ソウ」はいかがでしょう。マスカットを想起させる
素晴らしく高い香りを持つお茶です。茶葉がもともと有している
香り成分を、製法で引き出し、技術によって開花させた
100%自然の香りです。キュッとした収斂味が、渋みというより
味わいのアクセントとなって全体を引き締めています。
飲み終わって暫くすると、口中が涼やかな甘さに満たされ
実に爽快。これからの季節、是非とも水出しで飲んで
いただきたお茶のひとつで、まるでオシャレなカクテルを
飲んでいるような飲み心地をご体感ください。
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広東省産の烏龍茶。福建省との省境も近い潮州市が産地。同市のお茶では「鳳凰単ソウ」が断然長い歴史を有しますが、もともとはこの「鳳凰単ソウ」の原料茶である「鳳凰水仙」の突然変異種としてスタートしただけあって、品質では一歩も引けを取りません。販売中のお茶は製造から2年半が経過して、程よく後熟が進んだ正に飲み頃になっています。 |
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24節気とは天球上の太陽の動線を24等分してそれぞれに名前を付けたもので、
同じ季節に同じ節気が廻ってくることになります。
古代中国において、100%お天気頼みだった農耕作業の目安にするべく考案され、
段階的に整備を繰り返しながら今に至っています。
しかしあの広い中国、北と南、東と西では気候が同じはずもなく、
日本とも一緒に語るのは難しいところですが、そこはフレキシブルに解釈して、
その季節感を楽しめればと。
2018年4月5日 4:05 PM | カテゴリー: Column